もくじ
銀行口座を複数持つメリット・デメリット
複数の銀行口座を上手に使い分けながら家計管理できれば、貯金がしやすい仕組み・環境を作ることができます。
この記事では、銀行口座を複数持つメリット・デメリットと使い分けのコツについて解説します。
銀行口座を複数に分けて資産を管理したいと考えている方は参考にしてください。
銀行口座は複数持つのがおすすめ
口座を分ければ支出が見えやすくなる
1つの口座で現金を管理すると、残高がひと目でいくらあるのかわかりやすいです。
その反面、生活費や趣味などに使えるお金が大きく見えてしまうともいえます。
また、全ての支出がまとめて記録されるため、細かい支出に気付きにくいです。
目的に応じて口座を分けることで、気付きにくい細かい支出を把握しやすくなります。
「貯金をしたい」と考えている方には、複数の銀行口座を持つことをおすすめします。
原則1銀行1口座までしか作れない
「複数の銀行口座を持つ」といっても、1つの銀行で複数の口座を作ることは原則できません。
1つの銀行で複数口座を作成できない理由は様々ありますが、簡単にまとめると以下のとおりです。
- 休眠口座を作らないため
- 振り込め詐欺や不正利用などを防ぐため
- 口座相違などのミスを減らすため
口座の維持管理には銀行側にコストがかかる点や、口座数を増やすことで金融犯罪に使われる恐れがあるため、原則1銀行に1口座までしか作成できません。
複数の口座で家計管理する際は、基本的には複数の金融機関で口座を作成する必要があります。
銀行口座を複数持つメリット
お金の管理が楽になる
複数の銀行口座を持つことで、お金の管理が楽になります。
例えば、生活費用の口座と貯金用の口座の2つに分ける場合で考えます。
給料日直後にまとまったお金が入ったタイミングで資金の一部を貯金用の口座に移せば、生活費用口座のお金は「使って良いお金」として過ごすことができます。
先に貯金用口座にお金を移しているため、着実に貯金を増やせるでしょう。
そのほかにも、生活費用の口座を「固定費・決済」と「その他変動費」に分けると、生活費の使い過ぎで家賃や水道光熱費、クレジットカードの支払いが足りない、といったことを防げます。
ペイオフ対策になる
「ペイオフ」とは、金融機関が破綻した際に、預けていたお金のうち1人1,000万円とその利息分を保護し、預金者に返還する制度です。
1,000万円を超える金額に対しては、破綻した金融機関の財産の状況によって返還される金額が異なります。
ペイオフは1金融機関あたり1,000万円とその利息が対象であるため、2つの金融機関に預けている場合は2,000万円とその利息、3つの金融機関に預けている場合は3,000万円とその利息が万一の際の保護の対象です。
そのため、現金を1,000万円以上保有している方であれば、1つの金融機関に預けるのではなく複数の金融機関にお金を預けることで、全額をペイオフの対象にできます。
※ペイオフの対象となるのは、普通預金や定期預金、定期積金など、一部の預金に限定されている点にご注意ください。外貨預金や譲渡性預金は対象外です。
銀行口座を複数持つデメリット・注意点
口座管理が煩雑になる
お金の管理は楽になりますが、口座を複数持つことで口座自体の管理が面倒になる点がデメリットです。
口座管理としては、以下の点で手間が増えます。
- 通帳やキャッシュカードの管理
- 各口座の残高の把握
- 定期的な入出金作業
通帳やキャッシュカードを紛失すると再発行の手間がかかり、金融機関によっては手数料がかかるケースもあります。
各口座の残高を把握していないと、固定費や決済の引き落としができない、生活費が不足するといった不都合が生じるでしょう。
その際は別の口座から入金、あるいは送金が必要ですが、入金手数料や振込手数料がかかるケースもあります。
口座管理を怠ると余計なお金や手間がかかる点には注意が必要です。
各種手数料が無料になるサービスがある銀行や、自動送金機能を活用しましょう。
長期未使用口座は将来的に手数料が掛かる可能性がある
一定期間、口座の利用が無い場合、その口座が「休眠口座」として扱われる可能性があります。
仮に所有している銀行口座が休眠口座になってしまうと通帳やキャッシュカードの利用ができなくなり、お金を引き出すのに窓口で手続きが必要になってしまいます。
また、長期間利用がない口座に対して手数料を徴収する金融機関もあります。
手数料は口座残高から徴収され、残高が0円になると口座は解約される仕組みです。
2022年時点では休眠口座全ての口座から手数料を徴収されるわけではありませんが、管理コストを考えると今後徐々に対象が広がっていくことが予想されます。
使わなくなった口座は解約し、定期的に整理しましょう。
銀行口座を複数持つ場合の使い分け
銀行口座を複数持つ場合の使い分け例を紹介します。
この記事では以下の4口座を紹介しています
- 生活費中心のメイン口座
- 固定費・決済用の口座
- 生活予備資金用の口座
- 貯金用の口座
あくまで一例ですので、ご自身が管理しやすい、あるいは貯金がしやすくなるように複数の銀行口座の使い分けをお考えください。
生活資金を含むメイン口座
お給料が振り込まれる、いわゆるメイン口座です。
固定費や貯金用の資金を給与振込日に先取り貯金で別口座に移動した後、残りのお金を生活資金として使用します。
この口座に入っている資金は、次の給与日までに使用していい資金です。使用できるお金を限定することで、無駄遣いを抑えられます。
その月に余ったお金を「貯金用の口座」に移動させれば、より素早く資産を形成できます。
固定費・決済用の口座
家賃や水道光熱費、スマホの通信費など、毎月費用がかかる「固定費」の支払いに充てるための資金をまとめておく口座です。
メイン口座と分ける理由は、固定費の支払い用の資金を確実に確保し、固定費の支払いミスを防ぐためです。
固定費と同様に、クレジットカードの支払額もあらかじめわかっているため、メイン口座と分けておくと支払いミスを防げます。
固定費やクレジットカードの支払いが滞ると、生活に大きな影響を与えるでしょう。
支払いを確実に済ませるためにも、同じ支出に関連するお金ですが、生活費の口座と分けて管理することをおすすめします。
生活予備資金用の口座
生活予備資金とは、もしものときに備えた資金のことです。
例としては、病気をして働くことが難しくなったり、会社を退職、もしくは倒産などで収入が途絶えた際に生活を維持するための資金が該当します。
金額の目安としては、手取り収入の3ヶ月〜6ヶ月分が目安です。
生活予備資金用の口座のお金は急な出費や緊急時以外には引き出さないようにしましょう。
投資している方でも生活防衛資金には手を出さず、生活防衛資金を確保した上での余剰資金で行います。
貯蓄を増やす場合も「貯金」と「生活予備資金」は分けて考え、優先順位は「生活予備資金」>「貯金」の順で貯めていきましょう。
貯金用の口座
貯金用の口座を別口座で持っていると、貯金がしやすい仕組みを構築できます。
貯金用の口座を利用する際は、毎月のお給料から先取り貯金するといいでしょう。
先取り貯金をすることで貯金する金額を最初に取り出すことになり、「貯金するはずだったお金を使ってしまった」という事故を防ぎ着実に貯金を増やしていくことができます。
お給料日やボーナスが支給される日にATMでの入出金や送金手続きが面倒に感じる方は、別口座に自動振込してくれるサービスを利用するのがおすすめです。
なお、生活予備資金が貯まっていない方は、貯金の前に生活予備資金を貯蓄することから始めましょう。