もくじ
プロトレーダーは株価の予想が上手い 「プロのトレーダーは、神がかり的な能力で、株価が騰がるか下がるか予想できる」 あなたはそう思っていませんか?
これも盲目的に信じられていることですが、それは大きな間違いです。
プロトレーダーは100%未来が読めるという予想が出来るわけではないのです。
予想する能力は、誰しもさほどの違いはありません。
では、プロトレーダーと、そうでない人を分ける決定的な違いは何か?
それは株価が騰がっても下がっても対応できる能力です。 プロがやっているのは、予想ではありません。
プロも、株価がどちらに動く可能性が高いかということは考えてトレードをしています。
しかしそれはプロでない人が使う「予想」とは、少し違う意味を持っています。
まず、プロでない人が使っている「予想」というのは、株価を見ただけで、この株が上がるか下がるかが分かるというもの。
プロは未来が確実に見えるような予想が出来るから、儲かるという誤解があるように思います。
あなたもそう思っていませんか? 今までの話からも薄々分かっていただいていると思うのですが、パッと株価を見ただけで、次の瞬間上がるか下がるか、それは誰にも分かりません。
まぐれで当たることはありますが、それでは意味がありません。
なぜなら、まぐれでは安定した継続的な利益は続かないからです。
では、まぐれではなく安定期な利益を出すにはどうするのかというと、プロは、丁半博打ではなく、期待値がプラスになるルールに基づくトレードをしているのです。
プロトレーダーがやっているのは、100%次の株価が分かるという予想ではありません。
比較的利益が出る確率の高い方向に資金を投じ、その後、自分がその株をまるで持っていないかのごとく冷静な判断を下すのです。
他人のお金でトレードする感覚といえるかもしれません。
要するに損をしても痛くも痒くもない状態です。
確かに自分の資金をエントリーするまでは、 「今エントリーするのが良いか?悪いか?」 という予測を立てています。
その予測は、良くて51%の確率で的中するかもしれないという、非常に弱々しいものです。
しかし、そこで決断をして資金を投じる。 その後が、プロとそうではない人の違いです。
プロは、そのエントリーが間違っていたと判断した瞬間、さっさと売却して損を最小限に抑える。
つまり、上昇すると思って買いを入れた株が下がったら、すぐに売ってしまうのです。
一方でプロでない人は、自分が下した判断に引きずられてしまう。
その違いだけです。 予想はするが、その予想に縛られないという言い方が、最も適切なのかもしれません。
言い換えるなら、天気予報と同じです。
あなたは天気予報を見ますよね。そして、天気予報が「今日は晴れ」だと言っていたとして、外に出たら雨が降ってきたらどうするでしょうか?
傘が無ければ買いにいって、傘をさしますね。そして、雨をしのぐ。
または、一回家に戻って雨がやむのを待ってから出て行くなど、対処をするはずです。
つまり、あなたは天気予報を見て行動を一度決めますが、天気予報と実際の天気が違っても、対応をしているはずなのです。
そして、対して腹もたたないでしょう。 なぜなら、100%確実に当たる天気予報なんて無いと知っているからです。
これと全く同じことです。 現在の株価に至るまでに、どういう経緯で株価が動いてきたか、このパターンであれば、いくらくらいは上昇するであろうという考えに基づき、株価の次の方向の判断をしています。
そして、エントリーするタイミングを待ちます。 でもむやみやたらにエントリーしたりはしません。
自分が儲けられる、つまりルールにあるエントリーの根拠が見られるまでは何もしません。
そして、ルールの間合いに株価が入ってきたら、そこで初めてエントリーをします。
しかし、エントリーした次の瞬間には、株価が上にいくか下にいくか。 それは全くわかりません。
その瞬間からは、五分五分です。 思ったとおりにいくかもしれないし、思ったとおりにいかないかもしれません。
例えば、240円で買ったら、245円くらいまでそのまま上がるだろうと思ったのに、235円に下がったとします。
これは、思惑とは別です。 するとどうするか、 損切りをします。損を確定するために売ります。
しかし、その損も計算のうちです。
なぜなら、損を小さくしておいて、利益が出たときに結局プラスになるルールを元々作っているからです。
やはりルールが大事なのです。 利益とは 最終利益 = トータルの利益 - トータルの損失 です。
つまり、損失が出ることを含めてルールなのです。
損失が出ても、それに余りある利益をだすからこそ、最終的には儲かるのです。
うまく儲けのパターンに思惑通りにはまったときに、利益が出て、その損失をカバーし、最後にプラスになってくるのです。
プロは、完全当事者意識でエントリーをしたかと思うと、次の瞬間、非当事者意識で直前の自分の行動を否定できます。
もしくは全てをわかったうえで判断し行動しています。
自分の行動を否定して損失を出すことも多々あるでしょうが、トータルでプラスになることを知っているのがプロです。
プロでない人は、買ってから売るまで、ずっと当事者意識のまま売買をして、トータルではプラスになるのかマイナスになるのかは運任せ、という人です。
言い換えるならば、 プロは株価の予想ではなく、株価が騰がっても、下がっても対応できる方法を知っており、その行動ができる様にトレーニングをしているだけなのです。
大事なのはルールを守ることであって、損失の出し方が上手くなればいいのだと理解してください。
損失の出し方が上手いというのは、最小限の損失でトレードを行うということです。
それができれば、自然と利益を出す基礎が出来上がってきます。
また、損失の出し方が上手くなると、どんな相場でも恐くなくなります。
それも非常に重要なポイントの一つですね。 以上をまとめると・・・ どんなに稼いでいるプロトレーダーも予想がうまいわけではない。
自分が稼げるチャートのパターンを見抜き、そのポイントに入ってきたときのみトレードを行う。
そして、思惑とはずれて損失が出てもすぐに損切りし、ルールに従い繰り返すことが利益につながっている。