もくじ
勝率の甘いワナとは?
勝率が99%の売買手法でも負けてしまう理由とは?
あなたは知っていますか。 勝率99%の売買手法があったとしても、損が出てしまうという事実を。
個人的には「勝率」という言葉自体、あまり好みではないのですが、他に適当な言葉が広まっていないため、ここでは分かりやすくするために使います。
さて、ここに勝率99%の株の売買手法があるとします。 売買手法というのは、自分の売買をルール化したものです。どんな銘柄を、どのタイミングで買ったり売ったりするのかをルール化したものだと理解してください。
この売買手法に関する説明は、詳しく後日からお送りするメールの中でお伝えをしていきます。
でも、ここでは、売買手法と言われる投資やトレードのルールというものがあって、ルールに従って売買を行う事によって利益が積み上がるのだなと理解をしておいてください。
そして、改めて先ほどの話に戻ります。 ここに勝率99%の売買手法(トレードルール)があるとします。
つまり、100回トレードをしたら、99回が利益で1回が損失のルールです。
勝率99%なんて話を聞くと、「絶対にお金が貯まる」 「勝率が高いから儲かる」 そう思っている人が多いようですが、実はこれは大きな間違いです。
勝率が高いのが悪いと言っているのではありません。 利益の出る確率が高い方が、低いものよりも良いのは間違いないです。
しかしその勝率よりも、もっと大事なものがあるのです。
ではまず「勝率が99%でも損をする」という話を、極端な例で説明します。
勝率99%という数字は、100回売買した時、99回利益を出しているという数字です。
しかし、その利益の大小は考慮されていません。 0.1%の利益でも、10%の利益でも、同じ1回です。
話を単純にするために、0.5%の利益を99回連続で出すと、元本100万円が163万円になります。
この時点で勝率99%ですよね。 これは複利で計算し、全てのトレードに全額を投入した場合のお話です。
この時点では63万円の利益です。
ところが、最後の一回で、暴落が起きたとします。
暴落時には、現実の株式市場でも、株価が一気に半分になることもザラです。
つまり163万円が一気に81.5万円になってしまうということです。
すると、勝率は99%なのに、元本100万円から比べて18.5万円の損が出ているのです。
これは、極端な例ではありますが、実際に起きる出来事です。
そして、概して勝率の高いルールであればあるほど、損失が出る時には、大きくダメージを負ってしまうものが多いのも事実なのです。
これを読んでいる方の中にも 「コツコツと利益を出す確率は良いのだが、損失を出すときには大きく穴を開けてしまう」 という方は、多いのではないでしょうか?
そのような方は、勝率にこだわっている傾向があるはずです。
あなたは大丈夫ですか? もう一度言いますが、勝率が高いのが悪いという話ではありません。
私がここで強調したいのは、 利益を出す確率よりも、もっと重要な要素がある。 ということです。
ではその重要なこととは何か? それが期待値と呼ばれるものです。
期待値の説明の前に、ひとつクイズを出します。
一瞬で、どちらが儲かるか即断してください。
①勝率は90%、1回100万円のトレードで、儲かるときは常に2万円儲かる。 ただし損をするときは20万円マイナスのトレード これを10回繰り返したとき。 ②勝率はわずか10%、1回100万円のトレードで、損をする時に1万円マイナス。
ただし儲かるときは20万円プラスになるトレード これを10回繰り返したとき。 どちらが儲かるか分かりますか?
その差はどれくらいだと思いますか? 勝率に目を向けていると、迷ってしまう問題だと思います。
では答え合わせです。
勝率どおりに10回のトレードが全部済んだとすると、
①はマイナス 2万円 ②はプラス 11万円 勝率90%の方が損をして、勝率10%の方が利益を出しているのです。
②と即断で答えることができたあなたも、これほど大きな差があるとは思わなかったかもしれませんね。
これが「勝率」に隠されてしまっている、数字の怖さです。 ①の10回でマイナス2万円になるトレードということは、
-2万円÷10回=-2,000円が、一回のトレード毎に損として計上されていくとも言えます。
つまり、あなたがこのトレードルールに従うということは、 毎回損を出しているのと同じだということです。
勝率は90%なのに、期待値からすると、勝っている間も実は損していたということです。
では②の10回のトレードで、プラス11万円になるトレードは、1回あたりにすると 11万円÷10回=+1.1万円 つまり1トレード毎に1万1千円のお金が殖えていく計算になるのです。
ckabunogakkou.com 勝率は10%なのに、負けている間も、実は1トレード毎に利益が積みあがっていっているのです。
本来はもうすこし複雑ですが、単純化して話をしているので、本質をとらえてください。
これを1トレード当たりの期待値といいます。
私や、本当に利益を続けているトレーダーが気にしているのは、 勝率ではなく、期待値の方です。
自分のルールを見直すときも 「期待値を上昇させるためには、どのように見直せば良いのか?」という事に焦点を合わせます。
その結果、勝率が高くなることは歓迎ですが、本末転倒にならないように気をつけなければなりません。
期待値がプラスのルールというのは、いうなれば 繰り返せば繰り返すほどお金が殖えるということです。
つまり、期待値がプラスで、トータルで利益が出るルールがあれば、 あとはそれをただただ繰り返すだけなのです。
ルールを繰り返すだけでお金が殖える。
これを洗練させて、膨大な過去の検証を行なったものが、システムトレードの本質的部分と言えます。
システムトレードの本質的部分を理解していると、システムトレードを謳っている教材を見たときに、それが学ぶに足る教材なのか、そうでないのかも瞬時に判断できます。
話が若干それましたが、勝率が高いからという理由だけでは意味がありません。
それだけでなく、勝率は関係ない。期待値が大事だということを覚えてください。 続けて、もう一つ勝率に騙されることの弊害を考えてみましょう。